産業保健の課題解決を追及して生まれた『Sanpo保健室』試行錯誤を重ねたサービス責任者の思いとは
今年1月にリリースされた産業保健専門職オンラインシェアリングサービス『Sanpo保健室』。この開発に携わったサービス責任者の尾尻さんに、開発背景やサービスの今後の展望について伺いました。
株式会社エムステージ 産業保健事業部
事業開発室 室長 尾尻さん
大学院修了後、大手ヘルスケア企業を経て、2020年エムステージグループに参画。部門の立ち上げ、複数の新規事業立ち上げを担当し、2022年より『Sanpo保健室』のサービス責任者を務める。これまで100社以上の健康経営施策の企画・運用等のコンサルティングを担当。
――本日はよろしくお願いいたします。まずはご経歴を教えていただけますか
大学院修了後、ヘルスケアサービスの会社で企業コンサルティングやサービス開発に携わっていました。その後エムステージグループに参画し、部門の立ち上げや複数の新規事業立ち上げを担当しました。2022年からは『Sanpo保健室』のサービス責任者を務めています。
――新卒からヘルスケア業界でキャリアを積まれていますが、昔から医療業界に関心があったのでしょうか
学生時代、医事法や医療過誤の問題について学ぶ機会があったこともあり、医療分野への興味は元々ありました。また、自分や家族の病気で病院へ通うなかで、医師不足など医療現場の課題を感じ、何か出来る事はないかなという思いを持っていました。そんななかエムステージに入ったのは、医療機関や医師との密な関係性に魅力を感じたことや、エムステージグループが掲げる『すべては持続可能な医療の未来のために』というビジョンに共感したからです。
――尾尻さんが開発に携わった『Sanpo保健室』今年1月にリリースされましたね!どのようなサービスか教えてください
『Sanpo保健室』は、企業が状況に応じて、産業医や保健師など多職種の専門スタッフが実施する面談メニューを選び、オンラインで面談を受けることができる産業保健専門職のオンラインシェアリングサービスです。従業員のメンタルヘルス課題や長時間労働への対応など、多岐にわたる健康サポートが面談を通じて可能となります。全11種の充実したメニューと、その後のアドバイスを含むフィードバック(面談報告書)で、人事労務の課題に的確に対応します。
面談対応など従業員のケアの部分にまで取り組みたいと思っていながらも、実際は取り組めていない企業が多いのが現状です。そういったなかで、「オンライン」「チケット」という活用のしやすさで、幅広い企業で手軽に専門職の面談を受けてもらうことが可能になりました。
――必要なとき、必要なだけ、専門職のサポートが受けられる人事労務ご担当者向けのサービスなんですね。『Sanpo保健室』開発にあたって、尾尻さんはどのような業務に携わっていたのですか
サービス責任者としてサービスの方向性を定め、その方針に基づいて開発を推進してきました。何社かの顧客企業にご協力いただきトライアルを実施して、ユーザー視点のサービス検証を行ったり、運営側の業務フローのブラッシュアップをしたり、システムと運営の両面でサービス開発を進めてきました。
――どのような思いで『Sanpo保健室』というサービスを開発したのでしょうか
この業界に携わるなかで見えてきたのは、まだ十分には整備されていない産業保健環境です。取組みに対する企業間の格差を感じるなかで、産業保健サービスの導入ハードルを下げるイノベーションを作りたいと思いました。コストや労力を考え、産業保健の取り組みが難しいと感じている企業はまだ多く存在します。企業や従業員が、産業医や保健師などの産業保健専門職にもっとアクセスしやすい環境を作りたい、そんな思いで『Sanpo保健室』を開発しました。
――全ての企業で産業保健を手の届く存在にしたいと思ったのですね。開発エピソードについてもお聞きしたいです
実は当初予定していたリリース1か月前に 「セキュリティの強化」 が理由で『Sanpo保健室』のプロジェクトがストップし、ゼロからの再スタートとなりました。新しいサービスを早く世の中に届けたいという思いで突き進んでいたなか、苦渋の決断でしたが、もう一度サービス内容を見直す良い機会と捉えて、メンバー全員気持ちを切り替えて取り組みました。
そこから2か月ぐらいかけて、コンセプトからもう一度練り直しをしました。メンバーと何度も意見交換を繰り返し、再度練り直しすることによって、サービスをより強度なものにすることができたと確信しています。妥協せずにより良いものを追及することこそ、サービス責任者としての使命があると感じています。
――全サービス責任者として大切にしていた部分があれば教えてください
普段は人の意見をよく聞き、取り入れる事を大事にしていますが、サービス責任者としては、譲れないコアな部分がブレないようにすることを意識していました。私のミッションは『Sanpo保健室』で企業の健康課題を解決する手段を増やすことです。この軸がブレないよう企画を進めてきました。一方で、サービスが独りよがりなものになっていないか、現場やお客様の声を積極的に聞きに行くようにもしていました。そして、間違った方向に進んでいないか常に確認しつつ、めざすべきゴールを見据えながら進めてきました。
――『Sanpo保健室』の今後の展望を教えてください
出来るだけ多くの方に『Sanpo保健室』の価値を届けたいと思っています。『Sanpo保健室』を通じて、誰もが等しく産業保健のサービスを享受できる世の中に出来ればと思います。そのためには、今後も利用者の声に耳を傾け、”リアルな声”をサービスに反映していきたいです。『Sanpo保健室』というサービスを”あたりまえ”へ定着させていくのがこれからの目標です。
――誰のために何故作るのか?という根幹を崩さず、サービスの質を追及していく尾尻さんの意義を感じました
ーSanpo保健室 サービス詳細